【これから麹のことを学びたい方へ】麹を学ぶ5ステップ:麹を日常に無理なく取り入れて、発酵の世界を楽しもう

発酵コラム

皆さん、こんにちは。

麹の仲間たちの長谷川です。

麹の仲間たちでは「麹を身近に発酵の世界を楽しむ」ことをコンセプトに活動しています。

麹は日本の食文化の根幹をなす重要な食材です。

日本の食文化である和食は味噌や醤油、本みりんなどの発酵食品によって支えられていますが、麹はこれらの発酵食品を作るときの原材料になります。

味噌や醤油などの発酵食品を作るのに麹は欠かせない存在ですが、食材という立ち位置から今まで麹自体が注目されることはありませんでした。

しかし、塩麹や米麹甘酒などのブームにより、麹の健康効果、麹の使い方などが注目されるようになってきました。

麹のことを理解することは、日本の発酵食品の理解を深めるだけでなく、日本の食文化の理解を深めることにも役立ちます。

実際に麹を使った発酵食品を作ることで、手作りの魅力や自分で何かを作り出す喜びを感じることができるようになり、生活も楽しく豊かになります。

また発酵食品を日常に取り入れることで、食事を美味しく健康的な食生活へ向かわせることもできるようになります。

麹の学び方としては、生活と仕事の無理のない範囲で麹の学びを実践していき、少しずつ麹の学びをステップアップさせていく方法がいいと思います。

無理があると継続することが難しくなるため、自分のペースで行っていくことも大切だと思います。

麹に興味があり、麹のことを学びたいけれど、何から始めればいいわからない、どのように学びを進めていけばいいかわからないと悩まれている方は多くいると思います。

今回は麹の学びを生活と仕事の無理のない範囲で実践しながら、楽しくステップアップしていける方法をお伝えします。

【第一ステップ】基本の三つの発酵食品を作ってみよう

基本の三つの発酵食品は塩麹、醤油麹、米麹甘酒です。

塩麹・醤油麹

塩麹と醤油麹は麹を使った調味料で、日常に使いやすい調味料です。

簡単に作ることができるので、初めての発酵食品作りにオススメです。

塩麹は塩の代わりに、醤油麹は醤油の代わりに使ってみてください。

使い方を知っていくうちに、日常に欠かせない調味料になっていくと思います。

塩麹と醤油麹には麹が含まれているため、調味料を通じて麹の栄養成分を摂取することができます。

塩麹と醤油麹の作り方は「ブログで発酵教室」に書いているので、参考にして作ってみてください。

塩麹
塩麹

米麹甘酒

塩麹と醤油麹の次は米麹甘酒作りにチャレンジしてみてほしいと思います。

米麹甘酒はおかゆに米麹を加えて8時間程度発酵させることで作ることができます。

おかゆと米麹自身のデンプンを米麹の酵素の働きによりブドウ糖に分解することで甘味が作り出されます。

米麹甘酒の発酵の仕組みは発酵の基本であり、発酵の面白さを一番分かりやすく体験できるのではないかと思います。

米麹甘酒は飲む点滴、飲む美容液とも呼ばれ、栄養豊富な飲み物です。

忙しい朝食の代わりに、疲れたときの疲労回復に、寝る前の落ち着きたいときになど、人それぞれの生活のシーンに合わせて、日常に取り入れてみてください。

また米麹甘酒は飲み物としてだけでなく、砂糖の代わりとして料理にも使われています。

米麹甘酒をまずは飲み物として楽しみながら、慣れてきたら、料理や調味料づくりなどにも活用していくといいのではないかと思います。

米麹を使って手作りできる発酵食品は他にもたくさんありますが、まずはこの三つを覚えることから始めると、その後の発酵食品作りもスムーズになると思います。

米麹甘酒
米麹甘酒で仕事前のエネルギーチャージ

発酵食品作りを楽にしてくれるヨーグルティア

ヨーグルティアは、温度調節機能が付いたヨーグルトメーカーのことです。

1℃単位で温度設定が可能であり、時間になった際には音で知らせてくれます。

私は米麹甘酒を作り始めた当初、炊飯器を使用して作っていました。炊飯器で米麹甘酒を作る場合は、発酵の途中に温度が適切かどうか確認する必要があります。しかし、ヨーグルティアを購入したことで発酵の途中に温度を確認することが不要になり、米麹甘酒作りが格段に楽になりました。

またヨーグルティアがあると塩麹やヨーグルト、納豆など、様々な発酵食品が簡単に作ることができるようになるため、色々と作ってみようと生活に楽しみが出てくるようになります。

【第二ステップ】自家製味噌を作ってみよう

塩麹、醤油麹、米麹甘酒は米麹の酵素分解を利用した発酵の仕組みですが、味噌は米麹の酵素分解に加え、乳酸菌、酵母の微生物も関与した発酵食品です。

発酵の仕組みとしても次のステップにふさわしいと思います。

かつて味噌は自家製が当たり前で、自分たちで使う分は自分たちで作っていました。

味噌は和食の基本であり、毎日の味噌汁や料理の味付け、昔はご飯の友としてもよく食べられていました。

味噌を手づくりすることで、味噌が何からできているのか(原材料)、どのようにしてできているのか(製造プロセス)が理解でき、安心して味噌を使うことができるようになります。

また味噌を自分で作ることで愛着が生まれ、美味しく感じるようになります。

味噌を手づくりすることは食と健康を足下から見直すことにもつながります。

味噌づくりを始めて行う方は、何から行ったらいいか分からない方も多いと思います。

冬の時期は各地で味噌づくりのワークショップが開催されているので、そちらに参加してみるのもいいと思います。

本屋さんには味噌づくりの本がたくさんあるので、好きな本を買ってきて、自分で一から大豆を煮てみる作業から行ってみるのも面白いと思います。

味噌は一年に一度は仕込んでみることをオススメします。

そうすることで、味噌づくりが一年に一度の楽しい恒例行事になっていくと思います。

自家製味噌
自家製味噌

発酵食品作りで失敗しない人はいない

発酵食品を作っていると失敗することは数多くあります。

その時は、なんで失敗してしまったのかを考えるようにします。

原因を特定して、今後は失敗しない方法でやってみることです。

私は発酵食品作りを教える立場ですが、今までたくさんの失敗をしてきました。

失敗とは挑戦することで生まれるものです。

挑戦しなければ失敗しません。

何回も何回も作りながら、コツを掴み、自分のものにしていってほしいと思います。

【第三ステップ】調味料を自分で選んで買ってみよう

味噌、醤油、本みりん、お酢などの調味料は発酵食品です。

調味料は毎日の食事、料理の味付けに欠かせないものであり、調味料のことを理解して、適切なものを選べるようになったり、使い方がわかってくると、生活が楽しく、豊かになっていきます。

醤油には種類があることをご存知でしょうか。

醤油には濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、白醤油、再仕込み醤油の5つの種類があります。

また醤油情報センターによると全国の醤油メーカーは2021年(令和3年)で1,066軒あるとされています。

しょうゆ情報センター

このように醤油ひとつとってもたくさんの味があることがわかると思います。

第三ステップは「調味料を自分で選んで買ってみる」というものです。

調味料は自宅にあるものをとりあえず使っているという方も多いのではないかと思います。

またスーパーで調味料を買うときは、意識して選ぶことは少ないのではないでしょうか。

調味料を自分で選んで買ってみるときのポイントは普段使っているものとは違うものを選んでみるということです。

毎回、同じものを買うのではなく、好奇心を持って、毎回違うものを買うようにすることで、味の幅や味の違いが分かるようになってきます。

まずは味噌、醤油から始めてみて、本みりん、お酢も同じように見ていくといいと思います。

調味料に興味が出てきた方は、調味料の選び方を学んでみるのもオススメです。

調味料選びがより楽しいものになります。

スーパー以外でも調味料を買ってみる

健康食品店や自宅の近くに醸造蔵があれば直接買いに行ってみましょう。

インターネット通販を利用するのもオススメの方法です。

発酵デパートメント

発酵デパートメント|公式オンラインストア|下北沢駅から徒歩4分
発酵デザイナーの小倉ヒラクがオーナーを務める「発酵デパートメント」の公式Webサイト。下北沢の店舗へのアクセスや営業時間、ランチ・ディナーのご予約、オンラインショップ、各種マガジンなど。醤油やお味噌の定番から、その土地にしかないユニークなお漬物やお酒など、発酵にまつわる幅広い商品を扱っています。

職人醤油

職人醤油 - こだわる人の醤油専門サイト
「しょうゆ」の専門サイトです。日本各地の100種類の醤油を100mlサイズで紹介しています。醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる。おいしい醤油、個性的な醤油をお楽しみください。

ちょっとハードルが高いかも知れませんが、メーカーの通販サイトから直接購入してみるのもオススメです。

こちらの商品は和歌山県にある太田久助吟製というお店の通販サイトから購入したものです。

群馬県ではなかなか買うことができない金山寺味噌を、本場の和歌山県からお取り寄せしました。

太田久助吟製
太田久助吟製

調味料が変える日常

調味料を変えることで、同じ料理でも味わいを変えることができます。

美味しい調味料を使うことで、料理の腕は上がらなくても、料理を美味しくすることができます。

お豆腐に醤油をかける場合でも、お気に入りの醤油が複数あれば、毎日どれを使うかを選ぶ楽しみが生まれます。

また、複数の味噌を持っていれば、ブレンドして毎回異なる味の味噌汁を作ることができます。それによって、味噌汁を飽きることなく楽しむことができます。

第三ステップまで実践された方は発酵中級者です。

第一ステップ、第二ステップ、第三ステップを実践された方は、麹や発酵食品のことがなんとなく分かってきたのではないでしょうか。

第一ステップから第三ステップを何度も繰り返し行うことで、麹や発酵食品に対する理解が深まり、日常に楽しみが生まれてくるのではないかと思います。

発酵のことをもう少し専門的に学んでみたい方、発酵の奥深さを見てみたい人は第四ステップ、第五ステップも実践してみてください。

【第四ステップ】米麹を作ってみよう

第四ステップは米麹を作ってみることをオススメします。

なぜかというと日本の発酵食品は米麹が原材料になって作られているものが多いため、原材料である米麹を理解することで、発酵食品がより深いレベルで理解できるようになるからです。

米麹づくりは蒸したお米の上で麹菌のみを繁殖させる作業であり、米麹甘酒、味噌づくりとは違った「麹菌を育てる」という楽しみがあります。

米麹を作ることができるようになると、米麹から米麹甘酒、米麹から味噌など、一から発酵食品を作ることができる喜びが味わえるようになります。

第四ステップでは米麹を作ることができるようになることを目指すのではなく、まずは米麹づくりを一度体験してみることをしてほしいと思っています。

麹の仲間たちでは麹づくりのワークショップのリクエスト開催をしています。麹づくりに興味を持っていただいた方は、お気軽にお問い合わせください。

米麹づくりを体験した後に、第一ステップに戻るとまた違った視点で塩麹、醤油麹、米麹甘酒を見ることができるようになると思います。

もし米麹づくりをして、米麹づくりに興味を持っていただいた方はぜひ続けてみるといいと思います。新たな景色が次々に見えてくると思います。

米麹づくり
米麹づくり

【第五ステップ】発酵の本を読んでみよう

本を読むことは自分の世界を広げてくれることにつながります。

発酵の本を読むことで、発酵の世界の広さを感じることができるようになると思います。

発酵の奥深さを知り、より興味を持って発酵の世界と関わってもらいたいと思います。

今回は三つの本をご紹介したいと思います。気になるものがあればぜひ読んでみてください。

『もやしもん』石川雅之 (著)

もやしもんは菌や発酵の世界を楽しく学べる発酵漫画です。

主人公の沢木は麹を作る際に必要になる麹菌の製造をする「もやし屋(種麹屋)」に生まれます。小さい頃から菌が肉眼で見えて、菌とコミュニケーションがとれる特殊能力を持っています。

沢木は東京にある農業大学に入学して、研究室で教授と仲間たちと様々な出来事に巻き込まれていきます。

菌という目に見えないものをかわいいイラストで可視化されているので、菌の世界をイメージしやすく、菌の世界を身近に感じることができます。

漫画でありながら書かれている発酵の内容は本格的なので、発酵を勉強するための教科書としても使うことができます。

『発酵文化人類学』小倉ヒラク(著)

発酵の本というと発酵食品の歴史や作り方、活用のレシピが書かれているものが多いのですが、『発酵文化人類学』は発酵文化を切り口にした本です。

この本を一言でいうと「発酵文化を通じて私たちの暮らしを見ていくことで、新たな視点が発見できる!」というなんとも斬新な本です。

著者の小倉ヒラクさんの文章はわかりやすく、スラスラと楽しく読み進めることができますが、書かれていることはディープでどんどんと発酵の奥深さに魅了されていきます。

「発酵」というキーワードになんとなく惹かれる、でもその理由がわからない。そんなアナタにオススメです。

『発酵はおいしい!』ferment books・おのみさ(編・著)

発酵はおいしい!』は日本の発酵食品だけでなく、世界の発酵食品についてもわかりやすくまとめられています。

発酵食品がイラストで紹介されているので、読むストレスがなく、見て楽しめるような本です

この本は1ページ目から順番に読んでいくというより、ペラペラとめくりながら気になる発酵食品を見つけてみる、調べたい発酵食品を辞書的に引いて見るといった使い方で愛用しています。

まとめ

第一ステップから第五ステップまでご紹介しましたが、自分の生活に合わせて麹の学びを実践していってほしいと思います。

第一ステップの塩麹を作って、料理に使ってみるだけでも生活は変わっていくと思います。

焦らず、一つ一つのステップを楽しみながら取り組んでもらいたいと思います。

私は第一ステップから第五ステップまでをくるくると何回も繰り返しています。私にとって第一ステップから第五ステップまでは一つのサークルのような形になっています。何回もくるくると繰り返していると麹が生活に馴染んできますし、新たな気付きも生まれたりします。

発酵食品は食べ物であり、暮らしの中にあるもので、特別なものではないと思っています。

発酵食品が生活の中に違和感なく取り入れられるのが理想であり、一番いい形だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様の生活が麹と発酵と関わることで、少しでも楽しく豊かになることをお祈りしています。