【乾燥肌・アトピー性皮膚炎で悩まれている方へ】「飲む美容液」麹甘酒で肌質改善!

発酵コラム

こんにちは!
麹の仲間たちの長谷川です。

私は小さい頃からアトピー性皮膚炎乾燥肌に悩まされていましたが、麹甘酒を通じて乾燥肌が改善し、それによりアトピー性皮膚炎の症状も軽減しました。

実際に、麹甘酒を通じて肌質が改善された方は多くいます。それは、麹甘酒に含まれる美容成分が肌に良い影響を与えるからだと考えられます。

今回は、麹甘酒に含まれる美容成分、特にグルコシルセラミドグリコシルセラミドN-アセチルグルコサミン、エルゴチオネイン、コウジ酸に注目して、これらがどのように肌質改善に役立つのかを詳しく解説します。

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 乾燥肌アトピー性皮膚炎に悩んでいる方
  • 肌荒れに悩んでいる方
  • 肌質改善を目指している方

私自身、麹甘酒で乾燥肌が改善された経験があり、「同じように肌の悩みを持つ方の力に、少しでもなれたら」という思いで書きました。

麹甘酒がなぜ「飲む美容液」と呼ばれる理由もわかると思います。

自家製麹甘酒

グルコシルセラミド

麹甘酒にはグルコシルセラミドが含まれています。

グルコシルセラミドとは、セラミド(スフィンゴ脂質+脂肪酸)グルコース(ブドウ糖)が結合したスフィンゴ糖脂質の一種です。

「セラミドの一種が含まれている」と思っていただけると、わかりやすいと思います。

肌の保湿とバリア機能を改善する

麹甘酒にはお米由来のグルコシルセラミドと、麹菌由来のグルコシルセラミドが含まれています。

麹菌由来のグルコシルセラミドは、麹菌の細胞膜由来であるとされています。

グルコシルセラミドは、「肌の保湿力を高める(肌の水分蒸発を抑制)」、「肌のバリア機能を改善する」効果があるとされている成分です。

麹甘酒を継続的に摂取することで乾燥肌の改善も期待できます。

麹由来のグルコシルセラミド

麹だけでつくったあまさけ(八海醸造株式会社)」は、「麹由来グルコシルセラミドは、肌の潤いを守るのを助ける機能がある」として、機能性表示食品として消費者庁に届け出が受理されています。

機能性表示食品」とは、事業者が科学的根拠をもとに消費者庁へ届け出を行い、その届け出が受理された食品のことです。届け出の際には、食品に含まれる成分の機能性について、科学的根拠を示すことが求められます。

【届出表示】
本品には麹菌Aspergillus oryzae HJ1 株と麹由来グルコシルセラミドが含まれます。麹菌 Aspergillus oryzae HJ1 株には腸内環境を整え、便通を改善する機能があります。麹由来グルコシルセラミドは肌の潤いを守るのを助ける機能があります。1日118g(小ボトル1 本分)を目安にお召し上がりください。[届出番号:I290]

引用:https://ec-hakkaisan.com/products/13085

植物由来のグルコシルセラミド

グルコシルセラミドは、お米、こんにゃく、パイナップルなどにも含まれています。

植物由来のグルコシルセラミドにも、肌の保湿力を高める働きがあるとされています。

乾燥肌が気になる方は、麹甘酒に加えて、植物由来のグルコシルセラミドを含む食材も取り入れてみると良いと思います。

パイナップル由来グルコシルセラミド

Dole SWEETIO(ウィーティオ)」は、「パイナップル由来グルコシルセラミドは、肌の乾燥が気になる方の肌の保湿力(バリア機能)を高める」として、機能性表示食品として消費者庁に届け出が受理されています。

【届出表示】
本品にはパイナップル由来グルコシルセラミドが含まれます。
パイナップル由来グルコシルセラミドは、肌の乾燥が気になる方の肌の保湿力(バリア機能)を高めることが報告されています。

引用:https://ec-hakkaisan.com/products/13085

乾燥肌・アトピー性皮膚炎に悩まれている方へ

私は麹甘酒を飲むことで、長い間悩まされていた乾燥肌が改善し、アトピー性皮膚炎の症状も軽減するようになりました。

なぜ麹甘酒は肌にいいのか?」「麹甘酒と乾燥肌、アトピー性皮膚炎はどのように関係しているのか?

私自身の体験も交えながら、その理由をお伝えしたいと思います。

皮膚の構造

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から成り立っています。

表皮は0.1~0.2mmとほぼお札と同じ厚さしかないといわれています。

そして、表皮は外側から「角層(角質層)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」の4層から成り立っています。

私たちが見えている部分は、皮膚の一番外側の「角層」になります。

保湿とバリア機能の役割を担う「角層」

皮膚の一番外側にある「角層」は、肌の乾燥を防いでくれる「保湿機能」と、細菌やウイルス、アレルゲンの侵入を防いでくれる「バリア機能」を持っています。

この2つの機能を支えているのが、「セラミド」と呼ばれる脂質成分です。

そのため、角層のセラミドが不足すると肌が乾燥し、バリア機能も低下します。

アトピー性皮膚炎とバリア機能の関係

アトピー性皮膚炎が起こる主な原因は肌のバリア機能の低下といわれています。

セラミドが不足すると肌の水分が失われやすくなり、乾燥が進むことでバリア機能も低下してしまいます。その結果、外部からの刺激に過敏に反応しやすくなり、乾燥によるかゆみも感じやすくなります。

さらに、かゆみから肌を掻き壊してしまうことで、肌が傷つき、バリア機能はさらに低下します。そうなると、より強いかゆみを引き起こし、アトピー性皮膚炎の症状が悪化するという悪循環に陥ります。

アトピー性皮膚炎の方はもともとセラミドの量が少なく、乾燥肌の傾向にあります。実際、乾燥肌はアトピー性皮膚炎の大きな要因の一つと考えられています。

麹甘酒に含まれる「グルコシルセラミド」

麹甘酒には、前述したように「グルコシルセラミド」という成分が含まれています。

これは、セラミドの前駆体(セラミドのもとになる成分)であり、肌の保湿力、バリア機能を高めてくれます。

麹甘酒を摂取することで、身体の内側から肌の保湿ができるようになり、肌のバリア機能を高めることできます。私はこれにより、乾燥肌が改善し、その結果、アトピー性皮膚炎の症状も軽減したのではないかと考えています。

もちろん、体質改善には麹甘酒の摂取だけではなく、自分自身の身体と向き合いながら食事や生活習慣などを見直していくことも大切です。

麹甘酒を飲んで肌の調子が良くなった実体験

私が麹甘酒を飲んで、肌の保湿や肌の調子が良くなってきたことを実感するようになったのは、自分で麹甘酒を手作りし、継続的に飲むようになってからのことでした。

毎日、手作りした麹甘酒を飲んでいたところ、4日間ほどすると肌の調子が良くなっていることに気がつきました。

しかし、麹甘酒を飲みきってしまい、しばらく飲まなくなると、再び肌の乾燥が気になるようになっていました。その後も麹甘酒を手作りして飲むことを何度か繰り返していくうちに、麹甘酒を数日飲むと肌の状態が良くなるということを、実感するようになりました。

そこから、「もしかすると麹甘酒は肌の状態を良くするものなのではないか」と思うようになり、肌がガサガサと乾燥したり、肌の状態を良くしたいときは、麹甘酒を手作りして飲むようになっていきました。

その頃は、麹甘酒が発酵食品であることや、美容成分を含んでいることも全く知らない頃でした。

麹甘酒は乾燥肌対策の一つ

私は乾燥肌対策のひとつして、今でも麹甘酒を継続的に飲んでいます。手作りするだけでなく、全国にあるいろいろな麹甘酒を取り寄せたり、アレンジを楽しみながら、甘酒生活を続けています。

肌の乾燥は、日々の食事や飲み物、そして生活習慣を見直していくことで、少しずつ改善することができます。

たとえば、冷たい飲み物や甘いジュースの飲みすぎ、外食やファーストフードによる栄養の偏り、消化に負担のかかるお肉の摂りすぎなどは、腸内環境を悪化させ、肌の状態にも悪影響を与えることがあります。また、夜遅い時間の食事は睡眠の質を下げ、翌日の体調にも影響を与えます。

自分の体調を日々よく観察しながら、自分に合った食事や飲み物、生活リズムを整えていくことで、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の予防・改善につながります。

そうした日々の土台づくりに加えて、麹甘酒を無理のない範囲で、日々の暮らしに取り入れてみていただけたらと思います。

麹甘酒や発酵食品についてご質問やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

豆乳甘酒(麹甘酒アレンジ)

グリコシルセラミド

麹甘酒にはグルコシルセラミドだけではなく、セラミドとガラクトースが結合したガラクトシルセラミドも含まれており、それらを総称して「グリコシルセラミド」と呼びます。

グリコシルセラミドが多く含まれている発酵食品

グリコシルセラミドは、麹を使った発酵食品に多く含まれており、特に麹甘酒、濁り酒、塩麹、味噌などに多く含まれていることがわかっています。

肌の保湿力を高めたい、肌質改善をしたいという方は、塩の代わりに塩麹を取り入れてみる味噌汁を作る頻度を多くしてみるなど、麹を使った発酵食品を日々の生活の中に取り入れてみると良いと思います。

参考文献

「日本醸造学会誌 第112巻9号(掲載ページ:p.655-662)(発行年月:2017年9月)」阪本真由子、酒谷真以、Jannatul Ferdouse、浜島浩史、柘植圭介、西向めぐみ、柳田晃良、永尾晃治、光武進、北垣浩志「麹で造られる醸造食品のグリコシルセラミド定量手法の検討とそれを用いた定量」

グリコシルセラミドの期待できる効能

グリコシルセラミドは以下の効能が期待できるとされています。

  • 腸内細菌叢改善(腸内環境を改善する)
  • 肝臓コレステロール低減

参考文献

「生物工学会誌  97巻 4号(2019年)」山本裕貴、浜島弘史、田中優、藤丸 裕貴、阪本真由子、宮川幸、西向めぐみ、柳田晃良、中村強、光武進、永尾晃治、中山二郎、北垣浩志「麹に含まれるグリコシルセラミドの健康効果」

N-アセチルグルコサミン

N-アセチルグルコサミンは米麹に含まれる成分で、「角層(皮膚の一番外側の部分)」の水分量増加に効果があるとされる成分で、肌の保湿、バリア機能の改善が期待できます。

また、コラーゲンやヒアルロン酸の合成促進にも効果があるとされています。

麹甘酒にはグルコシルセラミド、N-アセチルグルコサミンが含まれており、身体の内側から肌の保湿をサポートしてくれます。

エルゴチオネイン

米麹には、高い抗酸化作用を持つ「エルゴチオネイン」という成分が含まれています。

この成分は、老化の原因になる「活性酸素」を抑える働きがあり、老化防止や美容効果が期待されています。

エルゴチオネインはアミノ酸の一種で、これを作り出せるのは麹菌やきのこ類など、一部の微生物に限られています。

コウジ酸

コウジ酸は麹菌がお米に繁殖する際に生産する美白成分です。

シミやそばかすの原因となる、皮膚を黒くする色素のメラニンの合成を抑制する効果があるとされています。

まとめ

小さい頃からアトピー性皮膚炎があり、肌は乾燥してよく掻き壊していました。塗り薬を使えば肌の状態は回復するものの、それを何度も繰り返していました。肌の状態が悪い日は気分まで沈んでしまうこともありました。

そんな私にとって転機となったのが、麹甘酒との出会いです。麹甘酒を飲むことで乾燥肌が改善し、肌の調子が良くなったことをきっかけに、発酵食品に興味を持つようになりました。

そこから、少しずつ食生活を見直したり、自分に合った食べ物や飲み物を選ぶようになったり、生活習慣を整えることにも意識が向くようになりました。その結果、自分の体調と上手に付き合っていけるようになっていきました。

そんな私にとって、麹甘酒は体質改善のきっかけを与えてくれた存在です。

肌の状態が良くなると、自然と心も明るくなります。

今、肌のことで悩まれている方にとって、麹甘酒が少しでも力になれたらと、心から願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献

「生物工学会誌  96巻 9号(2018年)」倉橋 敦「甘酒 ―世界に誇る日本の伝統甘味飲料―」

「生物工学会誌 第97巻 第4号(2019)」倉橋敦「麴甘酒の成分・機能性・安全性」

「日本家政学会誌 74巻 2号(2023年) p.101-106」倉橋 敦『美味しいだけじゃない我が国の伝統甘味飲料「麴甘酒」』

北本勝ひこ(編者)『朝倉農学大系5 発酵醸造学』朝倉書店(発行所)、2022年11月1日初版第1印

北本勝ひこ(編集者)『醸造の事典』朝倉書店(発行所)、2021年6月1日初版第1印

【甘酒博士Q&A】 乾燥する冬こそ麹甘酒! お肌にいいこと、あるんです!(Hakkaisan /八海山公式チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=LOkHES5vvhM

パイナップルセラミド研究会(監修:江口文陽)
https://pineapple-ceramide.com/

皮ふとぬり薬のひみつ(Gakken キッズネット)
https://kids.gakken.co.jp/himitsu/library212/

「生物工学会誌  97巻 4号(2019年)」山本裕貴、浜島弘史、田中優、藤丸 裕貴、阪本真由子、宮川幸、西向めぐみ、柳田晃良、中村強、光武進、永尾晃治、中山二郎、北垣浩志「麹に含まれるグリコシルセラミドの健康効果」
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グリコシルセラミドについて

「日本醸造学会誌 第112巻9号(掲載ページ:p.655-662)(発行年月:2017年9月)」阪本真由子、酒谷真以、Jannatul Ferdouse、浜島浩史、柘植圭介、西向めぐみ、柳田晃良、永尾晃治、光武進、北垣浩志「麹で造られる醸造食品のグリコシルセラミド定量手法の検討とそれを用いた定量」
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グリコシルセラミドについて

株式会社ビオック(監修)『麹検定 公式テキストブック 3・2級』株式会社ビオック、2024年4月10日

北垣浩志(監修)『菌の絵本 こうじ菌』一般社団法人農山漁村文化協会、2018年3月15日第1印発行

北條真由美(編集人)『麹パワーで免疫力アップ!肌ツルツル!』マキノ出版ムック、2021年10月14日発行

糀甘酒が肌の保湿を促す米糀に含まれる美肌成分
https://www.marukome.co.jp/rd/result07/

藤井寛(著)『甘酒のほん』山川出版社

藤井寛(著)『元気をつくる!麹の甘酒図鑑』株式会社主婦の友社、2023年4月30日第1印発行

一般社団法人日本発酵文化協会(監修)(2018)「発酵検定公式テキスト」実業之日本社