ブログで発酵教室!とっても甘い!砂糖の代わりにも使える濃縮タイプの麹甘酒を作ってみよう!

ブログで発酵教室
たかあき
たかあき

砂糖の代わりにも使えるとっても甘い麹甘酒の作り方があるって聞いたよ!

僕も作ってみたい!

こーじろー
こーじろー

なるべく少ない水分量で作ることで甘く濃厚な麹甘酒を作ることができるよ!

今回はその麹甘酒の作り方を教えるよ。

ブログで発酵教室!第七回目は、とっても甘い!砂糖の代わりにも使える濃縮タイプの麹甘酒の作り方を解説します。

麹甘酒は飲むだけでなく、砂糖の代わりとして料理やお菓子作りなどにも使われています。砂糖の代わりに麹甘酒を使う場合は、しっかりと甘い濃縮タイプの麹甘酒を使うのがオススメです。

前回のブログ(発酵教室!第六回目)では、麹甘酒の作り方には「早造り」「薄造り」「かた造り」の3つの作り方があることをお伝えしました。今回の濃縮タイプの麹甘酒の作り方は「かた造り」にあたります。炊いたご飯に米麹を加えて、なるべく少ない水分量で作ることで、甘味の強い濃厚な麹甘酒を作ることができます。

濃縮タイプの麹甘酒は「甘麹」とも呼ばれています。

「砂糖の代わりにも使える麹甘酒を作りたい」「甘味の強い麹甘酒の作り方が知りたい」という方は、ぜひ最後まで見てください。

濃縮タイプの麹甘酒
濃縮タイプの麹甘酒

材料(今回の出来上がりの総量:874g)

  • もち米(うるち米でもOK):300g(2合)
  • 炊飯用の水:400ml
  • 乾燥麹:150g
  • 乾燥麹を戻す水:150ml

※固体はg、液体はmlで分けて記載しましたが、水の場合、gとmlは同じになります。
※今回の乾燥麹は麹の仲間たちの「甘酒用の乾燥麹」を使用しています。

もち米を使うと甘くなる

お米にはうるち米もち米の2種類があります。うるち米は普段食べるお米で、もち米はお餅、お赤飯やおこわなどを作るときに使われるお米です。

お米の主要な成分であるデンプンは、アミロースアミロペクチンと呼ばれる二種類のデンプンで構成されています。もち米はほぼ100%アミロペクチンで構成されているのに対して、うるち米は約8割がアミロペクチンで、約2割がアミロースで構成されています。

アミロースの割合が少なく、アミロペクチンの割合が多くなるともちもちとしたお米(粘り気があり、柔らかい食感のお米)になります。このようなお米を低アミロース米といいます。低アミロース米の品種で有名なものには、ゆめぴりかミルキークイーンなどがあります。

甘い麹甘酒を作りたい場合は、もち米、またはアミロースの割合が少ない低アミロース米を使うと甘くなります。

どんな麹甘酒を作りたいかによって、使うお米を選ぶようにしてみるのもいいかもしれません。

米麹の量を多くすると甘くなる

今回は乾燥麹150gを使いましたが、200g以上で作っても問題なく作ることができます。

米麹の量を多くすると、甘い麹甘酒に仕上がります。

麹甘酒の甘さはお米と米麹自身のデンプンが米麹に含まれるアミラーゼ(酵素)により分解されたブドウ糖の甘さです。米麹の量を多くすると、ブドウ糖に分解されるデンプンの量が増えるだけでなく、デンプンを分解するアミラーゼ(酵素)も米麹を加えた分、麹甘酒の中に溶け出します。そのため、しっかりとブドウ糖まで分解され、甘くなります。

米麹の量を多くすると、米麹の風味も出やすくなります。

麹甘酒を甘くするポイントには、もち米を使う、米麹の量を多くする、乾燥麹を水で戻してから使う、水の量を少なくして仕込む、発酵に移る前の温度が下がりすぎないようにする、よくかき混ぜる、火入れをする(煮詰める)など、いくつかあります。

①もち米を炊飯する

うるち米の場合は、1時間以上浸水させてから炊飯することで、お米の中心部分まで熱が伝わりやすくなり、芯の硬さが残らない、ムラのないふっくらとしたご飯に炊き上がります。

もち米の場合は、浸水は必要ないので、洗米後は炊飯用の水400mlを加えて炊飯ボタンを押しました。

麹甘酒作りスタート

①’乾燥麹を水で戻しておく

もち米を炊飯している間に、乾燥麹を水で戻しておきます。

乾燥麹の戻し方(水分の含ませ方)

乾燥麹と同量の水(今回は150ml)を加えたら、全体にまんべんなく水分を吸収させるようにしてよくかき混ぜます。

乾燥麹を水で戻す作業:乾燥麹に水分を吸収させる
乾燥麹に水分を吸収させる

乾燥麹が水分を吸収してきたら、乾燥麹が水分に浸るように表面を平らにします。その後は、サランラップをかけて、乾燥麹が水分をしっかりと吸収して柔らかくなるまで待ちます。

乾燥麹を水で戻す作業:ラップをして麹が柔らかくなるまで待つ
麹が水分から出ないように表面を平らにする

水で戻して1時間ちょうど経過していない頃の様子です。

麹が水分を吸収して膨らんでいました。

水で戻した乾燥麹
麹が水分を吸収して膨らんでいる

スプーンで混ぜると麹の粒が潰れるくらいの柔らかさになっていました。

水で戻した乾燥麹
麹が柔らかくなっている

生麹は乾燥麹と比べて含まれている水分量は多いですが、生麹の場合でも水分を含ませて湿らせてから使う方がいいと思います。生麹の場合は、生麹の半量の水を加えてみてください。

乾燥麹を水で戻してから使うことで、麹の芯が残らなく、酵素分解も起こりやすくなる

濃縮タイプの麹甘酒、かた造り甘酒は、なるべく少ない水分量で仕込むのがポイントになります。

少ない水分量で仕込むと、発酵させた後も麹の芯の硬さが残ることがあります。そのため乾燥麹を使う場合は、特に戻してから使うことが大切になります。

また麹の酵素(アミラーゼ)は加水分解酵素であり、酵素が働くためには水分が必要になります。乾燥麹を水で戻すことで、麹の中心部分まで水分が行き届くようになります。そうすることで、酵素が働き出して、酵素分解が起こるようになります。

麹が柔らかくなることで、もち米と混ぜる際もよく混ざりやすくなります。

ストレートタイプの麹甘酒、薄造り甘酒を作る場合は、加える水分量が多くなるため、乾燥麹を戻す作業は必要ありません。

②もち米を大きめのボウルの中で冷ます

もち米が炊けたら大きめのボウルに移して、木べらでかき混ぜながら温度を冷ましました。

大きめのボウルに移すことで温度が早く冷めるだけでなく、麹を加えた後のかき混ぜる作業もしやすくなります。

もち米を冷ましている間に内釜をキッチンペーパーで拭き取っておきました。

温度計は必須アイテム

麹甘酒づくりで一番大切なポイントは温度管理です。温度計は必ず購入するようにしましょう。

温度計は何度も洗いながら使うので、防水タイプのものを購入するのがオススメです。

私はタニタの電子温度計を愛用しています。

③65℃以下に温度が下がったら、麹を加えてよくかき混ぜる

私はお米の温度が65℃以下に下がったら麹を加えるようにしています。今回もそのようにしました。

麹を加える時のお米の温度の決め方

麹甘酒の発酵温度は50~65℃になります。発酵に移る前の温度は50℃以上、できれば55℃以上あると発酵(糖化)がスムーズに進みやすくなります。

麹は冷たい状態なので、お米と混ぜると温度は下がります。かき混ぜている間にも温度は下がっていきます。かき混ぜた後の発酵に移る前の温度が50℃を下回っている場合は、発酵に適した温度まで温めることが必要になります。

そのため、麹を加える時のお米の温度は、それらの温度の下がりを考慮して決めるといいと思います。

炊飯したご飯を冷ましている
今回は64.4℃で麹を加えた

③’しっかりとかき混ぜること

麹を加えたら、もち米とよく混ざるようにしっかりとかき混ぜることが大切です。

もち米はダマになりやすいので、それを崩すようにしながらかき混ぜます。

水分を少なく仕込む場合は、特にこのかき混ぜる作業が大切になりますしっかりとかき混ぜることで発酵(糖化)が進みやすく、甘味の強い麹甘酒に仕上がります。

もち米に麹を加えてよくかき混ぜている
しっかりとかき混ぜる

マッシャーを使うとより混ざりやすくなる

かき混ぜる時にお米の粒、麹の粒は潰れてしまっても問題ありません。お米の粒、麹の粒が潰れることで、より混ざりやすくなり、発酵(糖化)が進みやすくなります。

粒感を残す場合でも、かき混ぜる作業は大切になります。

今回はマッシャーを数回使い、上から粒を潰すようにしました。粒感を少しは残したいと思ったので、完全には潰しきらないようにしました。

マッシャーを使い、もち米と麹がよく混ざるようにしている
粒を潰してなめらかにした方が甘くなる

④50~60℃で8時間発酵させる

しっかりとかき混ぜたら炊飯器に移して、温度を測ります。50℃を下回っていたら55℃程度まで温度を上げてから発酵に移るようにします。

今回は温度を測ったところ、44.4℃だったため蓋を閉めて「白米急速(早炊きモードのこと)」ボタンを押しました。3分後に蓋を開けてかき混ぜて、そのままかき混ぜながら温度を56.7℃まで上げるようにしました。その後は、保温モードに切り替えました。

麹甘酒の発酵に移る前:温度が44.4℃
温度が50℃を下回っていた

「白米急速(早炊きモード)」を使う場合は、炊飯器のそばから離れないようにして、2、3分で蓋を開けてかき混ぜるようにします。温度が上がりすぎないように注意してください。

麹甘酒の発酵に移る前:白米急速ボタンを押して、温度を上げている
象印は白米急速ボタン
麹甘酒の発酵に移る前:温度が56.7℃
55℃以上に温度を上げることに成功

炊飯器で発酵させる場合は、フキンをかぶせて、その上に菜箸をかませるようにして蓋を閉めます。

フキンを二枚重ねにすることで熱は逃げにくくなり、保温性が高まります。また菜箸を手前にすることで蓋の開き具合が小さくなり、奥側にすることで蓋の開き具合が大きくなります。温度が下がってしまう場合、菜箸を手前にして、逆に温度が高くなりすぎる場合は、菜箸を奥側にして温度管理をします。

麹甘酒の発酵に移る前:内釜の上にフキンをかけてその上に菜箸をおいて温度調節をしている
フキンと菜箸で温度管理

蓋が開かないようにマスキングテープを貼っておきました。マスキングテープは破れにくく、しっかりとしていながらもはがしやすいのでオススメです。

麹甘酒を発酵させるスタンバイが完了
マスキングテープは必須アイテム

発酵に移る前は粒が表面が出ないように平らにする

麹の酵素は加水分解酵素になります。そのため、内釜のふちについている粒は水分の中に落として、表面を平らにして粒が水分に浸るような状態にしてあげることが大切です。

炊飯器で発酵させる場合は50~60℃(55~60℃)を目安にする

麹甘酒の発酵温度は50~65℃になります。炊飯器で発酵させる場合は、温度が急激に上がってしまうこともあるため、50~60℃、できたら55~60℃を目安にするといいと思います。

ヨーグルトメーカーがある場合は58~62℃の温度で8時間設定にするといいと思います。

ヨーグルトメーカーがあると温度管理の手間がなくなり、作るのが楽になります。「麹甘酒を定期的に作りたい」「他の発酵食品も色々と作ってみたい」という方は、ヨーグルトメーカーを購入するのがオススメです。

私はヨーグルティアを愛用しています。1℃単位で温度が調節できて、発酵終了後は音で知らせてくれます。

ヨーグルティア
甘酒生活を始めるならヨーグルティア

⑤発酵の途中も何度かかき混ぜる

炊飯器で発酵させる場合は、かき混ぜるタイミングで温度も測るようにします。

もし温度が上がりすぎていれば、蓋の開け具合を調節し、温度が50℃を下回っている場合は、早炊きモードで温度を55℃程度まで上げるようにします。

かき混ぜることで甘くなる

かき混ぜることで、場所による温度ムラをとることができ、温度を均一にすることができます。

また、かき混ぜることで酵素と酵素により分解されるものが触れ合うことで、分解の速度が上がり、甘味や旨味が生まれやすくなります。

約1時間後の様子

温度は63.5℃になっていました。今度は菜箸を奥側に置くようにして、蓋の開き具合を大きくとるようにしました。

麹甘酒の発酵中:途中で温度を測る
約1時間後の様子

水分が出てきてとろみが感じられました。発酵前に比べてサラサラと液体状になっていることを感じました。

麹甘酒の発酵の途中経過の様子
約1時間後の様子

約3時間後の様子

温度は56.8℃になっていました。

麹甘酒の発酵中:途中で温度を測る
約3時間後の様子

甘味が出ていてすでに麹甘酒の味になっていました。

麹甘酒の発酵の途中経過の様子
約3時間後の様子

⑥約8時間後完成

味見をしてみて十分甘くなっていたので、発酵を終了することにしました。

麹甘酒の発酵終了
約8時間後の様子
麹甘酒の発酵終了の様子
約8時間後の様子

発酵時間について

今回のレシピの分量の場合、8時間で十分甘くなります。

8時間発酵させて味見をしてみて、「甘さが足りない」「もっと甘くしたい」という場合は、一度かき混ぜてから12時間までの間で発酵時間を延ばしてみるといいと思います。

発酵時間を延ばすと、アミラーゼ(酵素)がデンプンをブドウ糖に分解する時間が増えるので、甘味が増すようになります。

濃縮タイプの麹甘酒づくりは水分量の調節がポイント

麹甘酒を食べてみたときに、麹の硬さが残っている場合は、水分量が少ない可能性があります。

逆に水分量が多いと、その分甘さも薄まります。実際に何度か作りながら、ちょうどいい水分量を見つけていくといいと思います。

例えば、今回のレシピで麹甘酒を作り「もっと硬さがあり、濃厚な甘さのものを作りたい」という場合は、乾燥麹を戻す水の量を150mlから100mlに減らしてみてください。少しずつ水分量を減らして様子を見ていくのがいいと思います。

火入れをすると甘くなる

火入れとは、麹甘酒を加熱することをいいます。火入れをすることで、微生物が死滅し、酵素が失活(活動を停止)することで、味の変化を防ぎ、賞味期限を延ばすことができます。

火入れは酵素が失活する70℃以上で10分以上を目安にするといいと思います。

火入れした麹甘酒を「火入れ甘酒」、火入れをしていない麹甘酒を「生甘酒」という言い方もします。

火入れすることで麹甘酒は甘くなります。

煮詰めるとさらに甘くなる

火入れの時間を長く取り、水分を飛ばすように煮詰めていくと、さらに甘くなります。

水分がなくなってくると焦げ付きやすくなるので、常にかき混ぜながら煮詰めるようにします。

今回はふつふつと沸騰させながら、硬さが出てくるまで煮詰めました。

麹甘酒を煮詰めたものは「甘酒ジャム」とも呼ばれています。ジャムのようにパンに塗ったり、砂糖の代わりとして飲み物に加えたりして使うことができます。

麹甘酒の火入れ作業:麹甘酒を鍋に入れて火をかけている
煮詰め具合で甘さを調節

煮詰めた甘酒(火入れ甘酒)はドロッとしていて、スプーンから垂らすようにしてもなかなか落ちなく、強い粘り気がありました。食べてみると舌に残るような濃厚な甘さがありました。

左が生甘酒、右が火入れ甘酒
どちらも甘い

賞味期限と保存方法

生甘酒、火入れ甘酒ともに冷蔵庫、または冷凍庫で保存します。

冷蔵庫で保存する場合は、二週間以内に使い切るのを目安にするといいと思います。

すぐに使わないものは冷凍庫で保存するようにします。

小分けにして冷凍保存がオススメ

私はミニタッパーに小分けしてすぐに使わないものは冷凍庫で保存するようにしています。小分けにすることで毎回フレッシュな状態で使うことができます。

冷凍庫に保存したものを使う場合は、使う前日に冷蔵庫に移して解凍しておき使うようにします。

タッパーに麹甘酒が小分けされている
ミニタッパーがあると便利

飲む場合は水で薄めて飲む

濃縮タイプの麹甘酒はそのまま飲むと甘味が強いため、飲む場合は水や無調整豆乳などで薄めると飲みやすくなります。

今回の麹甘酒は、水と1対1の割合で割ると、飲むのにちょうどいい甘さになりました。粒は底にたまるので、スプーンで混ぜながら飲むといいと思います。

水で割った麹甘酒
甘さはお好みで

最後に

麹甘酒の甘さはブドウ糖によるもので、このブドウ糖はアミラーゼ(酵素)がデンプンを分解することで生まれます。そのため、甘い麹甘酒を作るためには、アミラーゼ(酵素)が働きやすい温度を守ること、よくかき混ぜて酵素分解が起こりやすい状態にすることが大切です。

今回のように甘味の強い濃縮タイプの麹甘酒を作ることで、飲むだけでなく、砂糖の代わりとして料理にも使えるようになり、麹甘酒がより身近に感じられるようになると思います。麹甘酒は「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれるほど栄養成分を豊富に含んでいるものなので、美容や健康にも良い効果が期待できると思います。

ぜひ麹甘酒を無理なく日常に取り入れてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

料理用の麹甘酒のお知らせ

麹の仲間たちでは、濃縮タイプの「料理用の麹甘酒」を販売しています。砂糖の代わりとして料理に手軽に使える麹甘酒です。

「麹甘酒を作るのが大変」「料理用の麹甘酒が気になる」という方は、ぜひお試しください(^^)