ブログで発酵教室!米麹の選び方、乾燥麹と生麹の違い、乾燥麹の戻し方について解説

ブログで発酵教室
たかあき
たかあき

米麹は身体に良いって聞いたよ!早速スーパーに米麹を買いに行ったけど、いくつかあってどれを買えばいいのかわからなかった。

こーじろー
こーじろー

初めて米麹を買うときは迷うかもしれないね。今回は米麹の選び方を中心に教えるよ。

ブログで発酵教室!第五回目は、これから麹生活を始めたい方に向けて、米麹の選び方、乾燥麹と生麹の違い、乾燥麹の戻し方について解説します。

米麹は塩麹や麹甘酒、味噌などの発酵食品づくりに欠かせないものです。

塩麹や麹甘酒は買ったことがある方も多いと思いますが、米麹は発酵食品を作る機会がなければ買うことはないものなので、「米麹ってどこに売っているの?」「冷蔵コーナーと常温に置かれているものの違いは何?」」「米麹の選ぶときのポイントはあるの?」など、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

今回は米麹をまだ一度も買われたことがない方の参考になるように、米麹の選び方からわかりやすく書いていきたいと思います。

米麹の選び方

米麹はスーパーで買うことができます。

米麹には「乾燥麹」と「生麹」の二種類がありますが、スーパーに置かれている多くの米麹は乾燥麹になります。乾燥麹は、常温で長期保存が可能なので取り扱いが便利です。

麹初心者の方、「これから米麹を使っていろいろな発酵食品を作ってみたい」と思われている方は、スーパーで乾燥麹を買ってきて、使い始めてみるのがオススメです。

今回は群馬県桐生市のスーパー(フレッセイ、ヤオコー、ベイシア)を周りながら、おそらく全国のスーパーでも買うことができる3つの乾燥麹を選んできました。

乾燥麹
スーパーで買ってきた米麹(乾燥麹)

みやここうじ(伊勢惣)

みやここうじは冷蔵コーナーに置かれている場合と、常温の棚に置かれている場合があります。私の住む地域では、冷蔵コーナーに置かれている場合が多いかもしれません。

みやここうじは乾燥麹のため、冷蔵コーナーでも常温でもどちらに置かれていても問題ありません。

みやここうじ
内容量200g

みやここうじの特徴はブロック状になっていることです。このタイプは「板こうじ」と呼ばれています。

表面のモフモフしたものは麹菌の菌糸(からだの部分)であり、表面に菌糸が伸びることで米麹同士がくっついています。

みやここうじ
みやここうじは板こうじ

米麹を使うときは一粒一粒に手でほぐしてから使うようにします。

みやここうじをほぐすときは、未開封の状態で袋の上から潰すようにこすりあわせて、ある程度ほぐれたら袋から取り出して、手でこすりあわせるようにして一粒一粒にほぐすようにすると作業が楽です。

私は、みやここうじは麹甘酒を作るときによく使います。とても甘く仕上がります。

みやここうじ
使うときは一粒一粒にほぐしてから

プラス糀 米こうじ(マルコメ)

プラス糀は、米麹がすでにバラバラの状態になっている乾燥麹です。バラタイプの米麹は「バラこうじ」とも呼ばれています。

すでに米麹が一粒一粒のバラバラの状態になっているので、手でほぐす必要がなく、袋を開けたらすぐに使うことができます。

私は、塩麹、醤油麹などの麹調味料を作るときにプラス糀をよく使います。米麹の香りや味が強く出なく、さっぱりとした味の仕上がりになる印象があります。

プラス糀 米こうじ
内容量300g

板こうじとバラこうじの違いは、米麹の作り方の違いにあります。

板こうじの場合は、麹菌の菌糸を切らないようにして成長させて作ります。モフモフしていた方が麹らしさはありますが、板こうじの方が品質が高いとうものではありません。どちらの方が優れているというものではありません。

実際に使ってみて、どちらの方が自分の好みに合うのかで判断するのがいいと思います。

プラス糀 米こうじ
袋を開けてすぐ使えるので便利

米こうじ(コーセーフーズ)

プラス糀と同じように、バラ麹の乾燥麹です。

コーセーフーズの米こうじ
内容量300g

パッケージに「小さくひき割り」と書かれているように、よく見ると米麹が小さく細かくなっています。

米麹が小さく細かいと、米麹が水分を吸収しやすく、米麹の酵素も働きやすくなります。そのため、米麹が柔らかく、早く溶けやすくなることが考えられます。

コーセーフーズの米こうじ
よく見ると米麹が小さく細かい

まずは乾燥麹からスタートしてみよう

米麹をまだ一度も買ったことがない方は、スーパーで売られている乾燥麹から始めてみるのがオススメです。今回紹介したスーパーに並ぶ乾燥麹はどれも品質が高いものなので、塩麹、麹甘酒など美味しく作ることができます。

米麹を使っていくうちに、「板こうじのほぐす工程が好き」、「バラこうじの方がそのまま使えて楽」「グラム単位でお得な方を選びたい」「この米麹で作った味が好き」など、いろいろな考えが出てくるようになると思います。そうすることで、自分なりの米麹の選び方ができるようになっていきます。

純粋に米麹の味の違いを知りたい方は「早造り甘酒」を作って比べてみる

米麹の原材料は、お米と麹菌です。どんなお米を使っているのか、どんな麹菌(種麹)を使っているのかで、米麹の味は変わってきます。また板こうじ、バラこうじのような作り方の違いも味に影響を及ぼします。

早造り甘酒はヨーグルトメーカーを使うと簡単に作ることができます。

作り方は、米麹の倍量の水を加えてよくかき混ぜたら、ヨーグルトメーカーで60℃で6時間設定で発酵させます(例:米麹 100g,水 200g)。

比較することで味の違いがよく分かるので、2つ以上の米麹で早造り甘酒を作り、比べてみるといいと思います。

乾燥麹と生麹の違い

米麹には乾燥麹生麹の2種類があります。乾燥麹と生麹の違いは、米麹に含まれている水分量です。

乾燥麹は生麹に比べて水分量が少なく、生麹は乾燥麹に比べて水分量が多いです。乾燥麹は水分量が10%以下、生麹は水分量が25~30%くらいといわれています。

なぜ水分量が違うの?

米麹の製造工程を5つにまとめると ①お米を蒸す ②麹菌(種麹)を付ける ③48時間繁殖させる ④出麹(完成) ⑤枯らし(乾燥)になります。

①お米を蒸す:蒸し米を作る

②麹菌(種麹)を付ける:お米が冷めたら麹菌を付ける

③48時間繁殖させる:保湿と保温、手入れをしながら麹菌を繁殖させて米麹を作る

④出麹(完成):出麹後、米麹の粗熱をとって袋詰めしたもの(生麹

⑤枯らし(乾燥):出麹後、お米を薄く広げて水分を蒸発させて乾燥させたもの(乾燥麹

乾燥麹のメリット、デメリット

乾燥麹のメリットは常温で長期保存ができることです。

買ってすぐに使い切らなくてもよいので、取り扱いが非常に楽です。麹初心者の方には乾燥麹がオススメです。

乾燥麹のデメリットは、生麹特有のフレッシュな風味を感じることができないことです。

生麹のメリット、デメリット

生麹のメリットは、生麹特有のフレッシュな風味を感じることができることです。

生麹をそのまま食べてみると味や香りをよく感じることができます。生麹を使うことで発酵食品の味に個性を出すこともできます。

生麹のデメリットは、常温保存ができなく、保存性が低いとことです。

生麹は冷凍庫、冷蔵庫の場所を取ることや、使おうと思ったときにすぐに使うことができないといったデメリットもあります。

生麹は冷凍保存が基本で、冷蔵庫で解凍してから使います。冷蔵庫に移したら2週間以内に使い切るのが目安です。

生麹を使うときは、前日に当日使う分を冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍しておきます。そうすることで、生麹をフレッシュな状態で使うことができます。

生麹の方が言葉の響きは一見良さそうですが、麹生活を送る上で乾燥麹は非常に便利です。うまく使い分けながら麹生活を楽しむのがいいと思います。

酵素力は生麹の方が高いといわれている

酵素力とは、デンプンやタンパク質を分解する能力のことです。例えば麹甘酒を作るときは、酵素力が高い生麹を使用した方が、甘い麹甘酒に仕上がるということです。

酵素力は生麹の方が高いといわれていますが、これは比較した場合の問題で、乾燥麹でも十分甘い麹甘酒になりますので、そこまで気にしなくても大丈夫です。

酵素力については、米麹の品質の方が大きな違いが出てきます。品質が高い米麹、信頼できるメーカーのものを使うということが一番大切なことだと思います。

生麹はどこで買えるの?

全国の麹屋さん、味噌屋さんなどで購入できます。Googleマップで近くに買いに行けるところがないか、調べてみるといいと思います。生麹を買いに行くときは、クーラーボックスを忘れずに持って行きましょう。夏場は冷蔵、または冷凍便で配送してもらうようにしましょう。

気になる麹屋さんがあれば、通販サイトを通じて購入してみるのもオススメです。

オススメの生麹

私が実際に使ってみて良かった生麹をご紹介します。

末永園(静岡)

末永園

大正九年創業、昔ながらの伝統的な製法である麹蓋製法で麹を作っている会社です。

真空パックになっており、生麹のフレッシュな風味がよく感じられます。

甘味の強い麹甘酒に仕上がります。

末永園の生麹
フレッシュな生麹

黒澤糀屋(秋田)

黒澤糀屋

米麹が一粒一粒にほぐれており、きれいに麹菌がお米の周りを覆っています(品質の高い米麹の特徴)。

サッパリとしたクセのない生麹で、麹甘酒も美味しくできます。

生麹特有の風味が強く出るのが苦手という方には、ぜひオススメです。

黒澤麹屋の生麹
クセのないサッパリとした生麹

生麹はメーカー(製造元)の個性が出ます。いろいろな生麹を使ってみて、自分に合った生麹を見つけることで、麹生活を楽しく続けることができるようになります。

乾燥麹の戻し方

乾燥麹を使うときは、そのまま使う方法と、水分を含ませて柔らかく戻してから使う方法があります。

乾燥麹を戻してから使うと、米麹の硬さが残らない、酵素がよく働くというメリットがあります。

なぜ乾燥麹を戻す必要があるのか?

塩麹や醤油麹、ストレートタイプの麹甘酒など、水分(液体)を多く含む場合の発酵食品を作る場合には、乾燥麹の戻しは必要ありません。

濃縮タイプの麹甘酒(かたづくり甘酒)、三五八漬けの素など、なるべく少ない水分量で仕込む場合には、乾燥麹を戻してから使うのがオススメです。

乾燥麹の戻しをしないで使うと、乾燥麹の中心部分まで水分がしっかりと吸収されないことがあり、そうすると発酵させても乾燥麹の硬さが残ってしまうことがあります。

また米麹に蓄積されている酵素は、加水分解酵素になります。加水分解酵素は水分中で働く酵素になるため、乾燥麹の中心部分まで水分がしっかりと吸収されていない状態だと、酵素の働きも弱くなります。

乾燥麹の戻し方(手順)

①乾燥麹の半分の重さの水を加えてよくかき混ぜながら水分を吸収させる。

今回は乾燥麹100gに対して水50gを加えました。

乾燥麹の戻し
プラス糀 米こうじ(マルコメ)を使用

②サランラップをして30分程度おいて、水分をしっかりと吸収させる。

乾燥麹の戻し

サランラップをして30分間待つというのは、丁寧な戻し方になります。

乾燥麹は水を加えた段階で、どんどんと水分を吸収していきます。30分待たなくても、よくかき混ぜながら水分を吸収させて、使うというのでも問題ありません。

まとめ

米麹は発酵食品を作ろうと思わない限り、買うことはないものです。しかし、発酵食品を作るようになっていくと、米麹はなくてはならないものになっていきます。

まだ一度も米麹を買ったことがない方は、スーパーで売っている乾燥麹から始めてみてください。いろいろな米麹を使っていくうちに、自分に合った米麹を選べるようになっていきます。

何事も一歩ずつです。一緒に麹生活を楽しんでいきましょう!

参考文献