皆さんこんにちは!
麹の仲間たちの長谷川です。
麹づくりをしていると一度は麹蓋で麹づくりをしてみたいと憧れる方は多いのではないでしょうか。
私はその一人で、麹づくりをしていく中で麹蓋の存在を知り、いつかは麹蓋で麹づくりをしてみたいと思うようになりました。
現在、麹蓋での麹づくりができる環境を整えることができましたが、麹蓋の購入や麹箱の設計など、環境を整える際にわからないことは多くあり、進める中で悩むこともありました。
この記事では、これから麹蓋で麹づくりをしてみたい方のために、自分が行ってきたこと、実際に麹蓋を使って麹づくりをした感想などを書いていきたいと思います。少しでも参考になれば嬉しいです。
麹蓋について
麹蓋とは伝統的な麹づくりに欠かせない杉木から作られた道具です。
麹蓋の購入
私は沓澤製材所さんの通販サイトから麹蓋を購入しました。
私は麹蓋を購入する前まで、麹蓋に関する知識はなく、麹蓋が何の木からできているのかも知りませんでした。実際に見たり、手に持ったりしたこともなかったので、どのような麹蓋を選べばいいのかわからず迷っていました。
インターネットで麹蓋のことを調べていると沓澤製材所さんのウェブサイトを見つけました。沓澤製材所さんはプロ用の麹蓋を作っており、麹蓋の製造元(メーカー)であることがわかりました。
麹蓋は木材からできているため、麹蓋はどのように手入れをしたらいいのだろう、取り扱う上で注意することはあるのだろうかなど、麹蓋を購入する前は不安がありました。
麹蓋のことで何かわからないことがあれば製造元に問い合わせることができると思い、沓澤製材所さんから麹蓋を購入することにしました。
<参考リンク>
「麹蓋」
「秋田杉・麹蓋(こうじふた)の販売をはじめました。」
麹蓋を実際に手に持ってみると、高級感があり、しっかりとした作りになっていることがわかりました。
触り心地が良く、木目も美しく、丁寧に作られていることを感じました。
価格は安くはありませんが、本格的な麹蓋をお探しの方にはおすすめです。
麹蓋を購入する際は
麹蓋を購入する際はお米1.5kgで麹づくりを行う場合でも、麹蓋は1枚でなく2枚購入した方がいいです。
麹蓋での麹づくりは2枚を一セットにして使うからです。
一つは麹を盛る用、もう一つは上に重ねる用で使います。
麹蓋の向きを上下反対にして上に重ねることで保温と保湿ができ、麹の温度の微調整もしやすくなります。
麹の温度が上がりすぎてしまう場合は、上に重ねた麹蓋を少しずらすようにします。
実際に麹蓋で麹づくりをしてみて思ったこと
①温度管理がしやすい
麹蓋はお米一升に合わせて設計されているものが多いです。一升とはお米10合のため約1.5kgです(1合が約150g)。
麹蓋を使う前まではホームセンターで購入したバット(ステンレス、アルミ、プラスチック)を使って麹づくりをしていました。
バットはお米1.5kgに合わせたサイズのものを見つけてきて麹づくりをしていましたが、麹蓋よりも温度管理は難しかったように思います。
麹の堆積する厚さ(麹と空気が触れる表面積)、杉の木の厚さなど麹蓋はお米一升に合わせて温度管理がしやすいような設計になっているのではないかと思います。
底板の隙間(空気の通り道)は麹の熱をうまく逃がし、熱がこもりにくいような役割も果たしているのではないかと思います。
②結露(水滴)ができない
バットで麹づくりをしていたときは、バットは水分を吸収しないため、バットの下側と周りには結露(水滴)が溜まってしまい、麹が濡れてしまうこともありました。
麹蓋は水分を吸収してくれるので、結露(水滴)ができにくく、麹が濡れてしまうことを防いでくれます。
また適度に保湿もしてくれるので、麹づくりに適していると感じました。
③麹蓋を使うと管理の手間は増える
麹蓋は使い終わったら洗って、天日干しして乾燥させなければいけません。
私は洗剤洗いをした後に熱湯消毒をして、天日干しをしています。
管理の手間は増えますが、麹蓋は使っていくほどに愛着が湧いてきます。
麹箱について
麹箱とは麹蓋を収納をして、麹室の役割を果たす箱、BOXです。
麹箱があると温度管理が楽になり、作業の負担がとれます。
麹箱作成の必要性
麹箱は麹蓋専用に作らなくても段ボール、洋服の収納ケース、クーラーバッグなどでも問題ありません。
麹箱の大きさは麹蓋よりひとまわり大きいくらいのサイズのものがいいです。麹箱が麹蓋に対して大きすぎると熱がこもりにくくなるので、保温性が低くなります。
まずは自宅やホームセンターなどで麹蓋が収納できるものを探してみて、麹づくりをしてみるのがいいと思います。
私はいろいろなもので麹づくりをしてみましたが、箱のサイズが大きすぎて熱がこもりにくかったり、内側と外側を仕切る厚さが薄く冷えやすかったりなど、ちょうどいいものが見つからず毎回温度管理が大変でした。
麹箱の設計
私は麹箱の設計図を『わが家でつくるこだわり麹 米・豆・麦から雑穀まで』(著者:永田十蔵)を参考にして作りました。
私が麹箱を設計する際に、考えたことを書いてみたいと思います。
自分は今後何キロの麹を一度に仕込む予定か
私は麹蓋を5枚重ねて収納できる高さで設計図を書きました。
一度に仕込む量は生活の中で無理のない範囲で作ることができる量で考えるといいと思います。
麹箱の中を温める熱源をどうするのか
私はゆたんぽを熱源にしています。
麹箱の一番下に湯たんぽが入る設計にしています。
湯たんぽは温度が下がったときに取り替える手間はありますが、火事になる心配がありません。
私は通常のサイズの湯たんぽとミニ湯たんぽを使いながら麹箱内の温度管理を行っています。
麹箱の縦幅、横幅(内寸)をどうするか
麹箱のサイズを大きくすると熱がこもりにくく、冷えやすくもなります。
私は麹蓋の出し入れのことを考えて、自分の腕が入る幅を考慮して設計しました。
木材の厚さをどうするか
木材の厚さは保温の問題と関係してきます。
木材の厚さが薄いと保温性が低くなります。厚くすると麹箱が重くなってしまいます。
私は木材の厚さは3cmで作ってもらうよう地元の工務店さんにお願いしました。
木材の厚さ3cmの麹箱を使っていますが、しっかりと麹箱内は保温されています。
部屋のどこに置くか
高さをどの程度にするのかにもよりますが、意外と麹箱は大きく、場所も取ります。
自宅のスペースの置き場所を考えた上で設計するといいと思います。
持ち運びしやすいサイズで作るというのも便利でいいかもしれません。
麹箱を作る
私は設計図を書いて地元の工務店さんに麹箱の製作をお願いしました。
麹箱は地元の杉の木(天然乾燥させたもの)で作ってもらいました。
麹蓋のサイズに合わせた麹箱があると温度管理が楽で、麹づくりの負担が大分とれたように思います。
またMY麹箱があると麹づくりに対するモチベーションも上がります。
これから麹箱を作る人は「ここはどう考えて設計したらいいのだろう」と悩むこともあると思います。
私が書いた設計図や作ってもらった麹箱は、群馬県桐生市に来て頂ければ実際にお見せすることができますので、お気軽にご連絡ください。
麹づくりを一緒に楽しんでいきましょう。