皆さん、こんにちは。
麹の仲間たちの長谷川です。
1月25日は「10年に一度レベルの最強寒波」が来るという日で朝からとても寒い一日でした。
群馬県桐生市では雪は降りませんでしたが、風が強く、家の中にいても寒さを感じる日でした。
そんな冬の寒い時期に仕込みのハイシーズンを迎える発酵食品があります。
それは「お味噌」です。
- 気温が低く雑菌が少ない
- 昨年とれた新しいお米と大豆で仕込める
- 寒い時期から長い時間かけてゆっくりと発酵させることで美味しい味噌になる
各家庭で味噌を仕込むことが多かった昔は、味噌の仕込みは冬の風物詩であり、冬の恒例行事であったと思います。
味噌は同じ材料で仕込んでも、仕込む時期、仕込む環境、寝かせる期間などよって味が変わるため、自分だけの味、マイオリジナルの味噌を作れるという楽しさがあります。
外に出るのが寒くて億劫になる冬のシーズン。DIY感覚、趣味の一貫として味噌を仕込んでみてはいかがでしょうか。
味噌を一度仕込むと味噌がどのようにして作られているのかというプロセスがわかります(自信になる)。そして仕込んだものを食べる楽しみも未来に生まれます(ワクワク)。
今回の記事では今年の1月に仕込んだ味噌の様子を書いていきたいと思います。
「意外と簡単そう!」「自分でも作ってみよう!」と少しでも興味をもってもらえたら嬉しく思います。
それでは味噌仕込みスタートです。
材料(約1kgの分量)
- 米麹:400g
- 乾燥大豆:200g
- 塩:100g
- 煮汁:今回は使いませんでした(煮汁は硬さ調整のため必要なので捨てずにとっておきましょう)。
※今回の米麹は自家製の米麹を使いました。
※米麹は生麹でも乾燥麹でもどちらでも大丈夫です。生麹の方が乾燥麹よりも水分を多く含んでいるため、硬さを調節するときは生麹の方が煮汁を加える量が少なくなります。
※今回は煮汁は使いませんでした。大豆を柔らかめに煮たのと、水切りを軽くしたらすぐに潰す作業に移ったので大豆に含まれていた水分量が多く、煮汁を加えなくてもちょうどいい硬さになったのではないかと思います。
※大豆を煮た後の煮汁は捨てずにとっておきましょう。
今回の味噌の特徴
今回の味噌は甘口の分量になります。
米麹の量が多いと甘い味噌に仕上がります。
今回の分量は米麹の量が乾燥大豆の2倍になっています。
【前日作業(作業日:1/24)】①大豆を水に浸ける
前日に行う作業は乾燥大豆を洗い、水に浸けておくことです。
大豆は水分を吸って膨れるので、たっぷりの水に浸けるようにしましょう。
水に浸ける理由は大豆の芯まで水を吸収させるためです。
水に浸ける時間ですが、冬場は水温が低いので24時間浸けておくといいと思います。
【当日作業(作業日:1/25)】②大豆を煮る
大豆を煮始めると泡が出てきます。
泡は取れる範囲でとってあげましょう。
火加減は大豆が踊る程度で煮るのがいいと思います。
今回は弱火と中火の間くらいで煮て、蓋を少しずらしてのせておきました。
今回は2時間50分煮ました。
大豆は柔らかくなるまでしっかりと煮てあげましょう。
煮すぎて柔らかくなりすぎるといけないということはありません。むしろ柔らかい方がこの後の潰す作業がやりやすくなります。
大豆の柔らかさは指でおさえると簡単に潰れる程度まで煮てあげましょう。また食べてみて完全に芯がない状態であるかを確認しましょう。
※水位が下がってきたら冷たい水でなくお湯を足すようにしましょう(冷たい水を足すと水温が下がってしまい沸騰するのに再度時間がかかってしまいます)。
※たまにかき混ぜてあげましょう(焦げ付き防止)。
塩分濃度を正確に計りたい人は煮た後の大豆の重さも量っておくといいと思います。
煮汁をとっておくことはつい忘れてしまいがちです。
煮汁を捨ててしまった場合は一度沸騰させて冷ましたぬるま湯を使います。
③大豆を潰す
今回は厚手のビニール袋に煮た大豆を入れて手のひらで押すように潰しました。
厚手のビニール袋はオルディのものを使っています(丈夫で破れにくくオススメです)。
ボウルに煮大豆を入れてマッシャーで潰すのでもどちらでも大丈夫です。
大豆の粒が見えなくなるまでしっかりと潰しましょう。
④米麹と塩を混ぜる
この時点で米麹と塩を混ぜておくとムラがなくなります。
両手ですりあわせるようにして混ぜておきます。
⑤大豆と混ぜる
ムラがないようにしっかりと混ぜるようにしましょう。
しっかりと混ぜたら小さなお団子を作ります。
おにぎりを握るように握ってあげるとまとまりやすいです。
このときに水分が少ないと、お団子のまとまりが悪くうまくお団子が作れません。
その時は煮汁をほんのちょっと加えてあげます。
加えすぎは要注意です!
ほんのちょっと加えた後はよくこねて、それでも水分が足りないと思う場合は、またほんのちょっと加えてあげながら水分量を調節してあげてください。
⑥容器に仕込む
今回の容器は100円均一で購入した1.4リットル入りの味噌ポットを使いました。
- 味噌が出来上がった後、容器に移し替える必要がない
- 冷蔵庫に入れても邪魔にならないサイズ感(場所をとらない)
- 取っ手が付いているので取り出しやすい
- 5キロ、10キロと量を仕込まない場合は味噌ポットに1キロずつ、何個かに分けて仕込むのが後の使い勝手のことを考えるといいと思います(例えば2キロ、3キロ程度の量を仕込むとき)
容器は洗剤でよく洗い、アルコールスプレーとキッチンペーパーで拭き取り消毒をしておきます。
空気が入らないように少しずつお団子を詰めていくのがポイントです。
スプーンを使って平らにならします。
空気に触れないようにラップをします。
ラップの余った部分は内側におりただんであげてください。
今回はカビ防止に辛子を使いました。
昨年、カビ防止に辛子を使ったところ全くカビが発生していなく、簡単でもあるので今年も辛子を使うことにしました。
⑦仕込んだ日をメモしてシールを貼る
蓋の密封具合が気になる方はラップをかませるといいです。
仕込んだ日をメモしておくことで開封するときの目安になります。
仕込みを終えて
後は直射日光が当たらない涼しい場所に置き、夏を越して忘れた頃に開ければきっと食べ頃になっているはずです。
味噌の仕込みはとてもシンプルです。型は完全に決まっているのにもかかわらず、個性が出るというのはとても面白いことだなと思います。
ぜひ味噌の仕込みを通じて、発酵の面白さ、味噌の面白さを感じてみてください。
皆様の味噌仕込みライフが楽しいものになることをお祈りしています。
参考文献
味噌仕込みに興味がある方はぜひ読んでみてください。記事は有料になりますが、これ以上ない味噌仕込みの手順書だと思います(価格はとても安いです)。
味噌の仕込み方が世界一わかりやすく、丁寧に解説されています。